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大量の流木、二次災害懸念 豪雨、川に押し寄せ氾濫の原因に

 西日本豪雨では、山林から出た流木が住宅を襲い、川が氾濫(はんらん)する原因にもなった。山間部にはまだかなりの量の流木が残っているとみられ、専門家は「今後の台風や大雨により、再び流木が押し寄せる可能性がある」として、二次災害への注意を呼びかけている。

 ■被災地、斜面に滞留
 人気の日本酒「獺祭(だっさい)」で知られる旭酒造の本社蔵がある山口県岩国市周東町。近くの東川が氾濫し、同酒造では機械や原料米が泥水につかった。その主な原因は、上流の山の斜面から出た流木だった。
 山口大の赤松良久准教授(河川工学)が現地を調査したところ、東川にかかる橋の上流で山の斜面が崩れ、大量の流木が橋脚に引っかかったことで、7月7日に氾濫が起きていた。
 10日には広島県府中町でも、橋の付近に流木や土砂がたまり、榎(えのき)川が氾濫した。九州大の矢野真一郎教授(河川工学)によると、上流の「土砂ダム」が決壊した際に土砂とともに大量の流木が橋に押し寄せたのが原因とみられる。
 矢野さんは、斜面崩壊が多数発生した広島県や岡山県などでは、今も多くの流木が山の斜面に残っていると指摘。「今後強い雨が降れば、流木が再び押し寄せて二次災害を起こす可能性がある」と話す。

 ■森林成長、衝撃増す
 「過去最大級の流木災害」と言われた昨年7月の九州北部豪雨。福岡県内では推計約36万立方メートルの流木が発生した。
 近年、流木による被害が目立つ一因として、森林総合研究所九州支所の黒川潮・山地防災研究グループ長は「森林の成長」を挙げる。林野庁によると、森林面積はこの半世紀ほとんど変わらないものの、木の体積を表す「森林蓄積量」は2・5倍以上に増えた。「木が太ったことで、流れ出て衝突した際の衝撃力も高まっている」という。
 京都大防災研究所の角哲也教授(河川工学)は、豪雨による「河岸の浸食」に注目する。河岸ぎりぎりまで植えられた木が成長し、洪水の際に流木となっている。河川敷の林も近年増えている。広島大の河原能久教授(水工学)によると、今回の豪雨で、広島県三原市の沼田(ぬた)川では、中州の木が抜けている痕跡が確認され、流木化した可能性がある。

 ■治山ダムを設置
 福岡県で発生した流木のうち、撤去されたのは約65%(6月末時点)。残りのほとんどは、重機の入れない山間部にあり、手つかずの状態だ。
 林野庁は、九州北部豪雨を受けて、全国約1200カ所で河川に流木が出るのを止める治山ダムの設置や、流木化する恐れのある木の伐採などの対策を進めている。
 

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