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「災害級」41.1℃ 熊谷、国内最高を更新 都内初の40℃超、猛暑日241地点

 関東甲信と東海を中心に、23日も記録的な暑さとなった。埼玉県熊谷市では午後2時23分、国内の観測史上最高を約5年ぶりに更新する41・1度を記録。全国の観測地点の約4分の1で最高気温が35度以上の猛暑日となり、各地で熱中症とみられる死者も出た。気象庁は同日夕の緊急記者会見で「命の危険がある暑さ。一つの災害と認識している」と危機感を示した。
 同庁によると、これまでの最高は2013年8月12日に高知県四万十市で記録した41・0度。23日は東京都青梅市で40・8度、岐阜県多治見市で40・7度、甲府市で40・3度と計4地点で最高気温が40度を超えた。都内で40度以上を記録したのは観測史上初めて。
 この日は全国927の観測地点中、627地点で30度以上の真夏日に。このうち241地点で猛暑日となり、気象庁が記録をまとめている12年以降、7月の猛暑日としては最多地点数となった。また、23日で10日間連続、猛暑日が100地点を超え、7月の最長を更新している。
 海外でも日本の猛暑が報じられ、ロイター通信は熊谷市で観測史上最高を記録した約20分後、「東京近郊で日本最高気温を更新」と伝えた。なかにはエアコンをあまり使わないようにするという日本の節約文化に触れる指摘もあった。
 西日本豪雨の被災地も猛暑に見舞われ、気象庁は「被災で環境が変わり、熱中症にかかるリスクがより高くなっている」と注意を促した。24日も全国的に晴れで、同庁は最高気温が35度以上と予想される地域が多いとして、「高温注意情報」を関東甲信から九州北部にかけて発表。気温が高い状態は少なくとも8月上旬にかけて続くという。
 連日の猛暑に見舞われているのは、日本付近の上空で太平洋高気圧とチベット高気圧の二つが重なり合う状態が続いているため。晴れの日が続き、日照時間が長いことも拍車をかけているという。加えて熊谷市などのこの日の暑さには、フェーン現象の発生も影響したとみられる。
 気象庁地球環境・海洋部気候情報課の竹川元章予報官は23日の会見で、記録的な暑さと地球温暖化との関係を問われ、「温暖化の影響で顕著な高温の出現数は増えているし、将来も増える見通しだ。影響がすでに表れてきていると考えられるが、どの程度関係しているかはさらなる調査が必要」と話した。

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