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ため池決壊、下流に「段波」か 豪雨の筑前、巨大水流押し寄せた可能性 /福岡県

 豪雨で決壊した筑前町中牟田の農業用ため池「中島池」で、下流に巨大な水流が押し寄せる「段波(だんぱ)」現象が起きた可能性があることが、九州大の矢野真一郎教授(河川工学)の調査でわかった。近くの小学校が浸水する被害が出ている。
 決壊時には最大で5メートルほどの水位の水が下流に一気に押し寄せた可能性があるという。
 町によると池は町の所有で総貯水量は3万トン。6日午後3時ごろに決壊したとみられる。800メートル離れた町立中牟田小の校舎の一部が浸水し児童が一時、孤立化する騒ぎになった。
 13日に現地調査した矢野教授によると、堤は高さ約5メートル、幅約18メートルにわたって損壊し、ほぼ空になっていた。谷筋に沿って田畑の植物はなぎ倒され、堤の護岸に使われていたコンクリート部材が約200メートル離れた田畑まで流されており、相当な流速で多量の水が流れたとみられるという。
 さらなる詳しい調査が必要としつつ、矢野教授は、「大雨で堤の一部を越えて水があふれ出した結果、堤が一気に決壊し、段波状の相当な水流が流れたのではないか。一歩間違っていればとんでもない災害になっていた可能性がある」と指摘した。

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