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都会のサツマイモで焼酎を NPO活動、40団体以上参加 /東京都

 都心のビルの屋上で育てたサツマイモで焼酎づくり――。中央区のNPO法人がそんな活動に取り組んでいる。屋上で農業を楽しみながら、東京の緑を増やそうという取り組みで、今年は40団体以上が参加している。
 5月中旬、城南信用金庫本店(品川区)の屋上。ワイシャツの腕をまくった従業員らがサツマイモ「ベニアズマ」の苗計40本をプランターに植えた。作業をした男性は「みなで大切に育てたい。どれぐらいできるか楽しみだ」と話した。
 企画するのは、東京・銀座のビル屋上で2006年から養蜂事業を手掛けるNPO法人「銀座ミツバチプロジェクト」。ミツバチを仲立ちとして街中に花や緑を増やそうと取り組む中、比較的管理が容易なサツマイモに目をつけた。
 「農業、焼酎づくりを楽しみながら、それが屋上緑化につながるのではと考えた」とNPO法人理事長の田中淳夫さん。銀座を中心に企業などに声をかけ、参加を募った。参加者には、苗、プランター、土、肥料を無料で貸し出し、育てたサツマイモを回収。福岡県豊前市の「後藤酒造」が醸造した芋焼酎を参加者に購入してもらう仕組みだ。
 1年目だった15年は、百貨店やホテル、大学など19団体が栽培。カラスに苗を持ち去られたり、収穫しようと引き抜いたら根っこと間違えるほど細かったり。それでも50キロのサツマイモを収穫。豊前市産のサツマイモも使って720ミリリットルの芋焼酎1400本ができた。17年は43団体でサツマイモは500キロ、焼酎は5千本に増えた。今年は47団体が栽培する。
 商品は「銀座芋人(いもじん)」と名付けた。今年3月にできあがったものは百貨店や通販サイトで一般向けに1本3240円で販売している。田中さんは「屋上緑化を楽しむきっかけになれば。賛同者を増やし、2020年には1万本の生産を目指したい」と意気込んでいる。

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