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コメの栄養分、CO2増えると減少 東大などのチームが実験

 大気中の二酸化炭素(CO2)濃度が高まると、コメに含まれるビタミンやたんぱく質などの栄養分が減ることが、東京大などのチームの実験でわかった。米科学誌に論文を発表した。
 地球温暖化の原因にもなる大気中のCO2濃度は、現在約400ppm。研究チームは日本と中国の実験農場で、今世紀中に達すると考えられる高いCO2濃度(568~590ppm)でコシヒカリなど18品種を育て、通常の環境で育てたコメと比べた。ビタミンB9(葉酸)は約30%、B1とB2は約17%、B5(パントテン酸)は約13%、たんぱく質が約10%、鉄は約8%、亜鉛は約5%、それぞれ減っていた。
 大気中のCO2が増えると、イネが吸収する炭素の量が増える。土壌から吸収する窒素などとのバランスが崩れるため、ビタミンやたんぱく質など窒素を含む栄養分が減ることが原因として考えられるという。
 小林和彦・東大名誉教授は「コメの栄養分の減少が深刻になれば、ビタミン添加などが必要になる。日本など先進国のCO2削減も重要だ」と話す。

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