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ニホンジカ目撃、最多222頭 定着の予兆・捕獲事業が低調 昨年度 /青森県

 農作物や生態系に影響を及ぼすニホンジカが北上している問題で、青森県内で2017年度に目撃された頭数は222頭で前年度を62頭上回り、過去最多となった。

 4日に開かれた県ニホンジカ管理対策評価科学委員会の会合で報告された。内訳はオス135頭、メス16頭、性別不明71頭。最初のデータが残る10年度は16頭だったが、14年度45頭、15年度114頭となり、最近は増え続けている。
 十和田市でオス1頭とメス2頭が連れだって歩く姿が確認されたり、深浦町で杉林でシカが越冬した痕跡が見つかったりと、定着や繁殖の予兆もみられる。
 捕獲は17年度に初めて指定管理事業として実施。猟友会と協力し、三八と白神地域で12月20日から3カ月間行った。銃や箱わなを使い、53頭が目標だったが、三八で9頭を捕獲したものの、白神ではゼロだった。委員会では今年度は開始を約1カ月前早めて期間を延長するとともに、白神山地では行っていなかった銃猟を加えると決めた。
 一方、事業外の狩りによる捕獲や交通事故で死んだシカを合わせると、17年度捕獲数は52頭で前年を24頭上回り、過去最多だった。
 4万頭が生息しているとの推計がある岩手県では農業被害は約2億円に上り、希少な高山植物への食害も出ているという。同県自然保護課によると16年度は1万999頭を捕獲した。

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