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「川棚のクスの森」根の状況深刻 下関市調査、2度目も原因不明 /山口県

 枯死の危機に陥っている国の天然記念物「川棚のクスの森」(下関市豊浦町)の現状を確認するため、市は1日から3日まで、文化庁が推薦する樹木の専門家3人を招いた2度目の調査を実施した。根の状態が深刻だったことから、市は近く、水や酸素を送り込む処置をする方針。
 2日の調査では、専門家と県樹木医会員ら15人ほどが参加。幹の中心から約30メートル離れた5地点を、1メートル前後まで掘り下げ、根の状況を確認した。枯れて香りがよくない根が多かった。
 川棚のクスの森は昨夏、葉の大半が枯れたため、専門家を招いて調査を始めた。根に酸素を送り込む応急処置を施し、経過を観察してきた。専門家の一人で、NPO法人「樹木生態研究会」の堀大才(たいさい)代表理事は「幹の途中に多くの芽吹きが確認されており、処置には一定の効果があったと思う」と話した。
 ただ、今回の調査でも原因は特定できていない。市は4日、専門家の助言を踏まえてクスの森に寄生していたハゼなどを撤去した。公園整備の際に行った一帯の盛り土を取り除くなどすれば、かえって衰弱が進む恐れもあるため、現状では酸素を送り込む処置が最善との結論に達した。

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