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ゆりかご再生願う 館山・沖ノ島、アマモ移植 /千葉県

 館山市の沖ノ島で、「海のゆりかご」と呼ばれる海草アマモの再生を目指し、人が育てた苗を海底に移植する会が19日に開かれた。市民ら約30人が干潮で浅くなった海に入り、ひと株ずつ丁寧に植えた。
 NPO法人「たてやま・海辺の鑑定団」(竹内聖一理事長)と市などでつくる「沖ノ島について考える検討会議」が開いた。沖ノ島では2013年に台風による砂の流出や魚による食害などでアマモ場が減少。同NPO法人などが中心となり、アマモ場の再生の取り組みを始めた。
 19日の参加者は、約70センチに育った苗の根を貝殻由来の紙粘土で包み、重りにして流されないようにした。1750株を用意し、潜水して海底に移植する班と海辺に植える班に分かれて移植。埼玉県上尾市の地方公務員、武藤吉輝さん(45)は史恩(しおん)君(11)と匠飛(たくと)君(9)の息子2人と参加した。ぬれるのも気にせずに苗を植えた史恩君は「楽しい。成長したところを、また見に来たい」と話した。
 同NPO法人はアマモが減少した原因調査を2016年度に行い、昨年度はアマモの花枝を採集して種を選別。プランターに種をまいて育てる取り組みを、市民ら約200人を巻き込んで実施した。約3千本の苗に育て、一部をこの日に移植した。

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