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はるかな尾瀬、福島から入ろう 入山者増へ催し多彩 24日山開き /福島県

 尾瀬が24日に山開きを迎える。入山者の増加をめざす県は若い世代のインターネットによる情報発信力に着目し、新たな取り組みを始める。8月に高校の写真部員や大学生を対象にした体験ツアーを実施し、撮影した写真をSNSで拡散してもらう。9月には檜枝岐村でフェスティバルを開く。「尾瀬の玄関口」としての認知度を高めることが狙いだ。

 尾瀬国立公園への昨年の入山者数は約28万人。1996年の約65万人から半減した。約7割は首都圏からのアクセスが良い群馬県側から入っており、福島県の入山口を利用した人は全体の4分の1だけだ。
 中高年の登山ブームが続く中、県は若者を尾瀬にひきつけ、特に福島県側の魅力を発信してもらおうと、今年度から3年間の予定で「スタートアップふくしま尾瀬事業」を始めた。
 柱のひとつが、若い世代を対象にしたモニターツアー。写真部に所属する県内の高校生約30人が2泊3日の日程で檜枝岐村から尾瀬に入り、山小屋から見る星空や早朝の尾瀬ケ原など様々な風景を撮影する。
 SNSなどによる情報発信を「条件」に、県内の大学生や専門学校生らを募る1泊2日のツアーも準備しており、県は「留学生にも参加してもらい、国外に尾瀬の魅力を伝えたい」と期待する。9月には東武浅草駅から直通運転の「特急リバティ会津」で、首都圏の若者を迎え入れる企画が計画されている。
 フェスティバルは9月8、9日に尾瀬檜枝岐温泉スキー場で実施される。アウトドア関連企業などと連携して、様々な体験型イベントやライブを行い、2日間で計2千人の集客をめざすという。
 今年度の事業費は約3600万円で、国の地方創生推進交付金を活用する。
 県自然保護課の黒沢涼一課長は「若い世代では『夏の思い出』の歌を知らない人も少なくない。そういう人にも尾瀬の自然に触れてほしい」と話している。

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