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東北に贈ろう、10センチの「希望」 道産木材「木棒」にメッセージ /北海道

 東日本大震災の被災地に木材遊具の「きぼうのプール」を贈るプロジェクトが函館市のシエスタハコダテであった。道産カラマツ材で作った「プール」を満たすのは、細い「木棒=きぼう」。子どもたちは木棒に応援メッセージを書き込んだり、プールに入って遊んだりした。

 この応援プロジェクトは、「木育(もくいく)」を推奨する道が2014年から取り組んでいる。道内各地のイベントを巡回し、来場者にカラマツとトドマツの棒(長さ約10センチ)に東北へのメッセージを書いてもらう。シエスタハコダテを訪れたのは4月22日。大量に集まった棒は、正六角形の木枠(幅約1・5メートル)の中に敷き詰め、被災地の保育園や児童館などに届けている。
 昨年は、台風による豪雨水害に見舞われた南富良野町の保育所にも寄贈。今年は、津波で全壊し、高台に再建された岩手県釜石市の鵜住居(うのすまい)幼稚園など2施設に贈ることにしている。
 娘2人を遊ばせていた函館市の主婦中村京(けい)さん(29)は「自然の香りと手触りが心地良い。子どもたちを通じて東北支援ができるという趣向もいいですね」。道水産林務部は「震災発生から少なくても10年間は、北海道の木材を生かして被災地に希望を届けていきたい」としている。
 鵜住居幼稚園(園児27人)の磯田育子園長は「遠い北海道でも震災を忘れないでいてくれることが、本当にうれしい。プールの木のぬくもりから、復興応援の気持ちを感じ取りたい」と話す。

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