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流木危険箇所を視察 朝倉市、梅雨前に国・県と /福岡県

 昨年7月の九州北部豪雨で被災した朝倉市で10日、市をはじめ国や県の機関などの50人が、流木が積み重なって危険とみられている市内7カ所を回り、対策について話し合った。市内には流木の処理が終わっていないところが今も多く残る。梅雨を前に各機関で現状認識を共有し、対策につなげたいとしている。

 この日の現地調査は、梅雨が迫っており、各機関で何ができるのか探るのが目的。市が各機関をつなぐ調整役となり、課題と対策を集約する。
 市が、国土交通省九州地方整備局や林野庁九州森林管理局、県朝倉農林事務所、自衛隊、朝倉署、甘木・朝倉消防本部などに呼びかけた。市が確認した流木危険箇所28カ所のうち、集落が近いなど、より危険性が高く二次災害が懸念される現場を見て回った。
 松末地区にある本村集落では、山腹から流出し、大量に積み重なった流木や土砂を重機が撤去中。視察メンバーらは住民の意見も聞きながら話し合った。松末地域コミュニティ協議会の伊藤睦人会長(73)は「不安で先のこともわからず、戻ってきた住民は4割に満たない。このままでは梅雨が心配」と話した。
 市によると、市内7カ所のうち3カ所はすでに土砂の撤去などを始めたが、残り4カ所は未着手という。
 中野信哉副市長(47)は「山にはまだまだ流木や土砂が残っている。関係機関が一緒に現地を見ることには大きな意味がある。持ち帰った課題を検討し、できるだけ早く一緒に対策を考えたい」と話す。
 互いに情報を共有しながら着手できるものから順次、各機関ごとに対策を始めてもらうという。定期的に市が開いてきた「出水期二次災害防止対策会議」でも話しあう。

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