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海運分野のCO2、「50年に半減」 国際海事機関が削減戦略

 国際貿易を支える海運分野で、温室効果ガスの二酸化炭素(CO2)排出を2050年までに08年比で少なくとも50%減らすことになった。ロンドンで開かれた国連の専門機関・国際海事機関の委員会が先月、初の削減戦略を採択した。
 委員会には100カ国あまりが参加。最終案に反対したのは、米とサウジアラビアの2カ国だった。
 国際海運分野は世界のCO2排出量の約2%を占め、国でいえばドイツと同等の排出規模となる。温暖化対策の国際ルール「パリ協定」には含まれておらず、これまで対策のない唯一の産業分野だった。
 削減戦略では、CO2の排出量を早期に減少に転じさせ、50年までに少なくとも半減することをうたった。専門家によると、これを達成するには、30年代に建造する船の多くについて、化石燃料を使わない「排出ゼロ」にする必要があるという。
 パリ協定では、産業革命からの気温上昇を2度より低く抑えるため、CO2などの排出を今世紀後半に実質ゼロにすることを目指している。今回の国際海運分野の削減戦略にも、パリ協定に合わせ、今世紀中に排出ゼロを目指す努力を盛り込んだ。(ワシントン)

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