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厄介な竹、有効活用 川崎で地域おこし 細工や料理などイベント /福岡県

 里山が荒れる一因とされる竹を活用し、地域おこしにつなげるイベント「竹とり物語」が29日、川崎町であった。竹笛作りや火おこし体験、竹細工の展示販売、旬のタケノコ料理を盛った弁当の器も竹製……と竹づくし。竹材を伐採した安宅川沿いでは、ホタルの里づくりも進む。

 竹とり物語は今年で6回目。川崎文化・歴史研究会「かわけん」(菅原潔会長)が主催、実行委員会(松岡久代委員長)が主管し、農産物直売所「De・愛」前駐車場で開かれた。かわけんメンバーらによると、もともとは雪舟ゆかりの国指定名勝庭園「藤江氏魚楽園」へ裏山から竹林が迫るのを防ごう、と有志で動いたのが始まりだ。当初は会場も魚楽園で、竹材も魚楽園の裏山を侵食した竹林で伐採していた。
 その後、メンバーらは、竹やぶに覆われた安宅川に多くのホタルが生息していることを知り、竹やぶを切りひらいてホタルの里づくりに着手。イベント用の竹材も、主にこれを活用して一石二鳥を図ることになったという。
 かわけんの讃井明夫事務局長は「竹に侵食されて人が足を踏み入れなくなった里山は、イノシシなど農作物を荒らす有害鳥獣の温床ともなる」と指摘する。「竹材を生かしたイベントは、あくまで二次的なもの。身近な自然環境と人の関わりを、みんなで考えて行動することが第一だと知っていただくきっかけになればうれしい」と話した。

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