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16・17年度のクマ捕獲数の半数、生息域の9%に集中 県、対策呼びかけ /秋田県

 2016、17年度の県内のクマの捕獲数計1300頭のうち、約半数がクマの生息域の約9%で捕獲されていたことがわかった。県は本格的な活動期を前に、捕獲後も出没が続く場所があるとして、事前にエサになる放置果樹などを片付けるなど捕獲以外の対策を急ぐよう呼びかけている。
 17日に開かれた「ツキノワグマ被害防止連絡会議」で県が発表した。クマをめぐっては県内では昨年度、1303件の目撃があり、20人が死傷。捕獲数も834頭にのぼった。この日の会議には20市町村や県警、東北森林管理局などの約65人が出席し、被害状況や連携する方法を確認した。
 捕獲数の増加を受け、県は全県を約9平方キロメートルずつに区切った全1415地点での、16、17年度の合計捕獲数を算出。5頭以上だった地点を「要注意メッシュ」として公表した。
 要注意メッシュは、クマの生息域の約9%にあたる18市町村の83地点。2年の合計捕獲数の約51%にあたる666頭が、こうした地点で捕獲された。繰り返し出没し、10頭以上が捕獲されたのも北秋田市や鹿角市、秋田市などに計22地点あった。
 県の許可が必要だったクマの有害駆除が、今年度からは条件付きで市町村の権限で可能になっている。県はクマを引き寄せる放置果樹などのエサの撤去や、通学路にあるやぶの取り払いなどの対策を紹介し、「捕獲だけでは安全は確保できない。原因がないか確認して欲しい」と呼びかけた。
 また、県自然保護課は今年度、学校や自治会などの団体を対象に、「クマの生態と対策について」と題した出前講座を始めた。問い合わせは、同課(018・860・1613)へ。

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