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伊達のワサビ、7年ぶり出荷 制限解除 /福島県

 先月6日に出荷制限が解除された伊達市産ワサビの生産者らが16日、7年ぶりの出荷再開を祝った。JAふくしま未来の伊達地区月舘共選場であった出荷再開式には約30人が出席し、約20キロ分の花ワサビを積んだトラックを見送った。
 実際の出荷は4日から始まっており、東京都内の市場の1束(50グラム)の販売価格は200~250円。原発事故前の2010年の同時期の約2倍という。引地秀樹・伊達地区わさび生産部会長(60)は「価格より再開できたことがうれしい。やっと一歩。今年度に本格的に再開をめざす」と話した。
 中山間地の日当たりの悪い場所でも栽培できるワサビは、伊達市の月舘、霊山地区では40年ほど前に栽培が始まった。「畑(はた)わさび」の名称で、春先はつぼみのついた花ワサビ、新緑の時期は葉ワサビを出荷。秋は根茎部分を加工用に回す。JAふくしま未来によると、最盛期には240戸で14ヘクタールを栽培し、約1億円の売り上げがあったという。
 だが、原発事故が発生。同JAと県、東京農業大との調査で、根からの放射性セシウムの吸収量は極めて少ないと判明したが、大半の畑が山林内にあるため、周辺の林からの2次汚染は防げず、「山林外での栽培転換が不可避」とされた。
 県は2年前、汚染の可能性のない畑をリストアップして解除する管理計画を策定。今回は平地でハウス栽培をしている12戸28アール分の花ワサビと葉ワサビの出荷が認められた。
 県園芸課によると、ワサビで出荷制限が続くのは川俣町山木屋地区のみとなる。

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