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古民家の風情、存分に 進藤家住宅が公開 朝来 /兵庫県

 朝来市佐嚢の市指定有形文化財「進藤家住宅」が15日、一般公開された。明治維新後、経済界で活躍した原六郎(1842~1933)の生家として知られ、約100人が江戸時代前期の築と見られる古民家の風情を味わった。
 住宅はかやぶきの木造平屋建てで、土蔵や土塀も残る。近世から近代にかけて製糸業や林業の経営を担った進藤家の隆盛を今に伝え、「佐中の千年家」の愛称で親しまれている。昨年3月に市有形文化財に指定された。今年、虫食いで傷む大黒柱や水回りの改修が予定される。
 一般公開は但馬ヘリテージング応援隊(中尾康彦代表、約10人)が年1回開催し、今年で6回目。
 この日は、中尾代表が大黒柱が桜材であることや、鉋(かんな)ではなく「ちょんな」という工具で削って平たくした形跡のある柱などを説明した。同市羽渕から妻と訪れた元教師、井後頼元さん(83)は「いろりで温まっていると、かつて原六郎氏らもこうしていただろう生活が伝わってくる。各所の傷みには手をかけないといけない。味わいのある建物です」と話した。中尾代表は「これからもこの住宅を多くの人に見てもらい、文化財としての理解を広げたい。そのことが後世に残していくことにつながる」と話している。

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