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手入れで貢献、タケノコもゲット 竹林オーナーを募集 河内ンちくりん /佐賀県
- 2018/04/11
- 朝日新聞
- 佐賀県
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竹林がもたらす春の恵み、タケノコの季節がやってきた。鳥栖市にある「河内ンちくりん」では、竹林4区画分のオーナーを募集している。手入れを通じて社会貢献をしつつ、竹材やタケノコといった実入りもゲット。「竹林のいいとこ取り」が売り物という。
現地は鳥栖市中心部から車で10分足らずだが、きれいな沢水が流れる別天地だ。鳥栖市産の竹材はかつて、有明海のノリ養殖に使う支柱として重宝されたが、近年はプラスチック製に取って代わられて使途を失った。整備の手が入らず、放置されて荒れ放題の竹林も少なくなかった。
そこで2009年、タケノコ生産が盛んな福岡県八女地区にならい、県がオーナー制度を導入。県が竹林を借り上げ、運営をNPOに委託した。1区画は470平方メートルで、今回募集分の賃借料は年間8千円(3年分を前払い)。オーナーは竹林を管理して、竹材やタケノコを手に入れる。NPOはタケノコ掘り専用の道具「唐鍬(とうぐわ)」の使い方を教えてくれるほか、タケノコご飯と若竹汁を味わうイベントを毎年開いている。
オーナーは、家族もいればご近所の仲良しグループもあり。企業が契約して顧客をタケノコ掘りや交流会に招くなど、プロ野球の年間指定席のような使われ方もしているという。NPOの木村利予さんは「鳥栖のタケノコはやわらかく、焼いてもよし、煮てもよし。北九州・合馬のブランドものにも負けないおいしさです」と話す。
問い合わせは認定NPO法人とす市民活動ネットワーク(0942・80・7184)へ。