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智頭杉の積み木、子どもに 「木育」推進、町がプレゼント /鳥取県

 地元特産の智頭杉で作ったおもちゃを子どもたちに贈る取り組みが、智頭町で行われている。町木材協会や高校が一から製作に携わる。

 子どもたちに地元の木や自然に親しんでもらおうと、智頭町は「木育」を進めている。15年度から、その年度に生まれた子どもに智頭杉で作った積み木などをプレゼント。昨年度は32人が生まれ、タイヤつきの箱に入れた積み木が贈られた。智頭杉が末広がりに親しまれるようにと、積み木の数は88(八十八)個にしたという。
 加工は町木材協会の女性部「木女(もくめ)会」の約10人が担った。昨年度に町が組んだ予算26万円をもとに材木店から木片を譲り受け、機械は県立智頭農林高の設備を借りて同校森林科学科の山田希仁教諭(56)にアドバイスを受けるなどして製作した。
 木女会は昨年12月から作り始め、3カ月で全員分を仕上げた。1歳以下の子どもが遊んでもけがをしないように角を丸くしたり、口に入れても害のないように接着剤を使わなかったりなど、細心の注意を払った。
 3日、子どもたちへの贈呈式が町役場であり、昨年4月に生まれた子ども3人と保護者が出席。寺谷誠一郎町長から完成品を受け取ると、さっそく子どもたちは積み木を取り出し遊び始めた。同町は面積の90%以上を山林が占める。寺谷町長は「この自然を生かし、小さい頃から木に親しんでほしい」と話す。
 同町河津原の小川美保さん(35)は双子の樹(いつき)君、桜ちゃんと出席した。地元の木で作ったおもちゃはより特別なものに感じるという。「自然の産物で子どもも落ち着いて遊べる」
 智頭杉は繊維が軟らかく加工しやすいが傷もつきやすいといわれる。木女会の前橋京子さん(58)は見た目を整えることに苦労したという。「これまで子ども向けのものが多かったけれど、高齢者に楽しんでもらえる道具も作りたい」と、さっそく新しい作品作りに意欲を見せていた。

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