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トキ29組が抱卵、カラスにも負けず 佐渡 /新潟県

 環境省は6日、佐渡市の自然界で生息しているトキの営巣状況を発表した。営巣が確認されたペアは34組で、このうち29組が抱卵を始めている。
 同省佐渡自然保護官事務所によると、今季は3月14日に初めて営巣を確認。5日までに34組の営巣が確認され、このうち自然界でともに生まれ育った雄と雌のペアは7組。営巣したものの、抱卵を中止したペアが4組あった。
 同省は、トキの卵をカラスが持ち去り、そのカラスをトキが追いかける貴重な瞬間を収めた動画と写真も併せて公表した。トキのモニタリング調査のため、新潟大学が設置したビデオカメラで撮影された映像だ。
 同事務所によると、公表した理由は「カラスが悪者」というメッセージを発信するためではなく、「カラスも佐渡島の生態系を構成する一員」と知ってもらいたいため。トキの卵を捕食したとはいえ、カラスの駆除は考えていないという。トキの野生復帰事業の趣旨からも、トキには自然界で生き抜く力を身につけて欲しいという考えだ。
 若松徹・首席自然保護官は「動画にはトキがカラスを追いかけるシーンもあります。たくましく育っていることも分かってほしい」と説明する。

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