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釧路湿原守れ、エゾシカ捕獲へ 環境省、今冬は達古武地区で実施 /北海道

 環境省は今年度から、植生を荒らしているエゾシカの個体数調整のため、わなや銃器による捕獲を実施する。釧路湿原の生態系の維持・回復が目的で、2020年度までの3カ年を計画している。

 同省によると、国立公園でもある釧路湿原では、絶滅が危惧されているヤチツツジなど保全上重要な種が採食されたり、踏み荒らされたりすることによる被害が発生。2014年度から3年間の調査では、釧路湿原内の約65%のエゾシカが通年、湿原内にとどまると推測された。また、15年のヘリコプターでの調査で、越冬は2千頭以上と推定されている。
 このため、同省では捕獲や植生の保護により、ラムサール条約に登録された1980年代初頭の植生状態に戻すことを目指し、計画を策定した。
 今回は、達古武(たっこぶ)地区で冬季に、わなや銃器で捕獲を実施する。この地区では、13年度から大型囲いわななどで捕獲を実施し、今年2月末までに累計198頭を捕らえたが、まだ相当数が生息しているとみられるという。実施にあたっては、タンチョウなどの希少野生生物への影響を最小限にするよう配慮する。植生の保護に関しては、場合によって保護柵の設置を検討、湿原周辺の丘陵地などで樹皮はぎなどの採食がみられる際には、食害防止対策も検討する。
 植生やエゾシカの生息状況に関するモニタリング調査も実施。計画の最終年度には調査結果を踏まえた検証や評価も行い、次期計画の策定に向けた検討もするという。

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