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世界の巨木と交流 口永良部島「学生の島」に エコツーリズム大会in屋久島/鹿児島県

 屋久島町で開催された「全国エコツーリズム大会in屋久島」には町民や観光の専門家、学識者らのべ約440人が参加し、公認ガイド制度や2015年に爆発的噴火が起きた口永良部島の復興などについて話し合った。
 基調講演したJTBの田川博己会長は、エコツーリズムについて、自然や歴史、文化などの資源を損なうことなく、地域振興も図りながら、持続可能な形態での観光と説明。「国立公園のブランド化」を提唱し、縄文杉の姉妹木になったニュージーランドの「カウリの木」など世界の巨木との交流を深めることで、国際的に観光の軸になっているエコツーリズムについて世界から学んでほしいと呼びかけた。
 また、観光客の減少が続く屋久島の将来像▽入山協力金▽地域を紹介する里のエコツアー、などをテーマに分科会が開催された。
 口永良部島の復興についての分科会では、同島本村地区の貴舩森区長が「100人ほどにまで減った島民だけでは島の振興は限界」と報告。調査や研究などで慶応大や広島大などの学生を受け入れている実績を踏まえ、島の環境を教育に特化して生かす「学生の島」にする構想を示した。
 京都大の山極寿一総長はイタリアの過疎地で広がる分散型ホテルの「アルベルゴ・ディフーゾ」を紹介。口永良部島の中心に受付と食堂を配置し、訪問客が島民の各家に宿泊する「集落丸ごとホテル」の試みを提案した。

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