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温暖化、半数の動植物絶滅も WWF、世界35地域で分析

 地球温暖化がこのまま進めば、世界で生物多様性が特に豊かで保全の重要性が高い35地域で動植物種の半数が絶滅する――。こんな報告書を、世界自然保護基金(WWF)などがまとめた。温暖化防止と生息地保全の両方の取り組みが必要だと指摘している。
 WWFは南米アマゾンやガラパゴス諸島、アフリカ・マダガスカル、ロシア極東のアムール川流域、北極海など生物多様性が豊かな35地域を「優先保全地域」としている。生息する動植物種は約8万種に上る。これらの地域で気温や雨量などの変化を分析し、温暖化の影響を調べた。
 地球の平均気温が産業革命前から4・5度上昇した場合、生息地の環境悪化が深刻化し、種の50%が絶滅するおそれがあることが分かった。
 報告書によると、オーストラリア南西部とアフリカ南部の森林地帯「ミオンボ」で特に大きな被害が予測される。オーストラリア南西部では海面上昇により生息域が失われるなどして哺乳類の81%、両生類の89%が絶滅、ミオンボでは水不足などで両生類の90%、鳥類の86%、植物の81%、哺乳類の80%が絶滅するという。
 温暖化対策の国際的な枠組み「パリ協定」は平均気温の上昇を2度未満に抑えることを目標にしている。だが、これを達成しても動植物種の25%が絶滅するおそれがあるといい、パリ協定の目標は不十分だと指摘している。WWFは「何億人もの命を支える生態系に、深刻な変化が起きるかどうかという問題だ」として、化石燃料の利用を減らし、再生可能エネルギーを増やすなどの温暖化対策の促進を訴えている。

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