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志摩産オリーブ初搾り 特産化めざし、100年を経て栽培再挑戦 /三重県

 志摩市は特産化をめざして栽培しているオリーブから初めて搾油し、料理に使って試食する発表会を開いた。収穫量と品質を向上させて、商品開発につなげたい考えだ。

 市は耕作放棄地の解消などを狙って、2011年度に市民のオリーブの苗木購入費を補助。14~15年度には地域活性化に協力する百五銀行が市や市民に苗木370本を贈るなど、市内で約1400本が栽培されている。
 搾油したのは、市が15年2月に市観光農園などで栽培を始めたオリーブの実28キロと、市民が収穫した実20キロ。昨年10月に搾油機をもつ京都府のグループに依頼すると、100グラム入り瓶で21本のオリーブ油が抽出された。
 今年3月に市内のホテルで開いた発表会では、このオリーブ油でエビや肉を煮込んだスペイン料理「アヒージョ」や、オリーブ油をドレッシングに使ったサラダなどが登場し、関係者約30人が試食した。「あっさりしていて口あたりがいい。オリーブ油が初めての人もおいしく食べられる」と竹内千尋市長。
 市によると、明治末期に国がオリーブ栽培の適地を調査。大正期にかけて、香川県などとともに志摩郡鵜方村(現志摩市)でも栽培が試みられたが、風害などで成功しなかったという。
 今回は、いわば100年を経た再挑戦。「雨の多い志摩でも実がなり、搾油できることが分かった。商品化に向けた第一歩」と農林課の担当者は話す。オリーブ油や実の新漬けを特産品にするのが目標だ。
 ただ本格生産には課題が多いという。木を大きく育てて実の収穫量を増やすとともに、オリーブ油の辛みや苦みなど品質を上げる工夫も求められる。「安定的に収穫するため、肥料の与え方や病害虫の駆除、品種の絞り込みも必要。専門家の指導も仰ぎながら進めたい」(同課)という。

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