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カエデのシロップ、長浜産できました 来月から販売、町おこしの起爆剤に /滋賀県

 長浜市や森林組合、地元企業などが共同で運営する「ながはま森林マッチングセンター」(長浜市木之本町)は、市北部に多く自生するカエデの樹液からシロップを作ることに成功し今春から売り出す。国産のカエデのシロップは少なく、町おこしの起爆剤になると期待している。
 きっかけは、同センターの森林環境保全員の橋本勘さん(42)が2009年、森林でカエデの倒木から樹液が流れているのを見つけ、なめてみると甘く「シロップにできないか」と思いついた。
 調べてみると、シロップが採れるのは27種類あるカエデのうち市北部に多いイタヤカエデとウリハダカエデの2種類。樹液の採取は1~2月で夜間の気温が零下まで下がり、昼間は5度までの条件が必要と分かり「市北部は最適」と考えた。
 3年前から本格的に取り組み、カエデのシロップを製造・販売している埼玉県・秩父地方のNPO法人を訪れ製造方法などを学んだ。昨年、同市余呉町、木之本町、西浅井町の3カ所の森林の20本のカエデに採取用のタンクを設置した。
 ドリルで木に穴を開けてホースでタンクに流れるようにして、1週間に1回、回収した。2月末までに279リットルの樹液を集め、煮詰めて6.7リットルのシロップを完成させた。イタヤカエデのシロップは甘みが強く、ウリハダカエデはあっさりとした甘みが特徴という。
 3月24日には同市西浅井まちづくりセンターでの「山門水源の森報告会」で無料の試食会を開く予定。4月20日からは奥琵琶湖パークウェイのつづらお展望台の売店で25ミリリットル千円で売り出す予定。
 販売されているカエデのシロップはカナダ産の「メープルシロップ」がほとんどで、国内では北海道や山形県、埼玉県などで作られている。橋本さんは「カエデのシロップは栄養価が高く、サプリメント感覚で味わってほしい」と話している。

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