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ヨシ焼く炎、菜の花と共演 渡良瀬遊水地 /栃木県

 栃木、埼玉、群馬、茨城の4県にまたがる渡良瀬遊水地に春を告げるヨシ焼きが17日、行われた。ヨシ原が炎に包まれる光景を見ようと、首都圏などから約6千人が訪れ、菜の花が咲く外周の堤防から見守った。
 遊水地の広さは東京・山手線内の南半分とほぼ同じ約3300ヘクタールで、うちヨシ原は約1500ヘクタール。ヨシ焼きはヨシズの原料となる優良なヨシを育てるのが目的。昭和30年代に始まり、2012年のラムサール条約湿地登録後は希少植物などを維持するねらいも強まった。
 火入れは、前日の雨でヨシ原が湿っており、予定より1時間遅い午前9時半に開始。ヨシズ農家や周辺自治体の関係者らが一斉に点火した。最初はなかなか燃え広がらなかったが、次第に炎が高く躍り、黒い煙が空に広がった。家族3人で撮影に来た小山市の舟橋和男さん(75)は「燃え方はもう少しだったけれど、菜の花を入れてうまく撮れた」と話した。
 夕方までに6割の約900ヘクタールが焼けた。焼け跡からは、新たなヨシや絶滅危惧種の植物などが生えてくる。

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