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「アロハ桜」を後世に 市民や元米兵が植樹 舞鶴 /京都府

 終戦後、ハワイ出身の日系2世米兵が舞鶴市に寄贈した「アロハ桜」を後世に引き継ごうと、市民らで作る「アロハ桜保存会」(野口典子代表)が10日、同市の共楽公園に桜10本を植樹した。米退役軍人ら関係者約50人が植樹式に参加し、日米友好と平和を祈った。
 この日、植樹したのは「春めき」と「陽光」の2品種。当時の様子を再現しようと、会メンバーらがその頃の米軍の服装で苗木を植えた。案内板も新たに設けた。
 ハワイから駆けつけた日系2世の元米兵グレン・アラカキさん(92)は当時の植樹には参加していないが、1947年ごろから1年間、舞鶴へ赴任。「当時を思い出すと涙が出る。この桜と歴史を次の世代へ伝えてほしい」と話した。
 桜は終戦直後、日系2世米兵として舞鶴で任務に就いていたハワイ出身の故フジオ・タカキさんが、「日本の人たちのために何かをしなさい」という母親の教えを受け、私費でソメイヨシノの苗木100本を購入。フジオさんの転勤後、ほかの米兵と市民が公園や周辺の学校に植樹した。
 桜は長年、日米友好と平和の祈りの象徴として市民に親しまれてきたが、枯れたり、樹勢が衰えたりして、確認できる木が4本に減少。桜の物語を後世に残そうと昨年12月、野口代表と同市の海上自衛官小田秀憲さん(40)が呼びかけて保存会を設立し、インターネットで出資を募るクラウドファンディングで資金を集めた。
 野口代表はハワイに桜を植樹する計画も進めており「舞鶴とハワイの桜を姉妹の桜にし、友好平和のシンボルにしたい」と話した。

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