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所有者不明地、民間に利用権 公共目的で最長10年 特措法閣議決定

 政府は9日、相続登記されないまま所有者がわからなくなっている土地を公共目的で使いやすくするための特別措置法を閣議決定した。民間業者やNPOに最長10年間の「利用権」を与えて、所有者が不明なままでも使えるようにすることが柱。今国会に提案する。
 特措法では、民間が運営する公園やイベント用の広場など、一定の公共性が都道府県知事に認められれば、自治体の他にNPOや民間企業でも土地を使えるようにする。最長10年間の「利用権」を与えるかたちで、所有者が現れたら利用権が切れた後に使う前の状態に戻す。更新もできる。
 自治体などが所有者を探す際の負担軽減策も盛り込んだ。職員が現地に赴いていた調査の一部を、住民票などの公的な書類の照会で済ませられるようにし、固定資産課税台帳の閲覧もできるようにする。国などの収用手続きを簡略化することも盛り込まれた。
 民間の研究会の試算では、所有者が分からない土地は2016年時点で九州より広い約410万ヘクタールにのぼると試算している。公共事業の際の収用や都市開発の妨げになるなどの問題が各地で起きているうえ、今後も増え続けるとみられており、対策が急務になっている。

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