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県開発無花粉スギ、優良認定 静神不稔1号、都道府県品種で初 /静岡県

 県の森林・林業研究センター(浜松市浜北区)が開発した無花粉スギ「静神不稔(しずかみふねん)1号」が、国立研究開発法人森林研究・整備機構の林木育種センターから優良品種に認定された。これまで無花粉の優良品種は国が作ったものだけで、都道府県の品種が認定されるのは初めて。県内には天竜地区などスギの全国的産地があり、花粉症対策として苗木の出荷や植栽につなげることが期待される。
 静神不稔1号は、森林・林業研究センターが約10年前、劣性(潜性)の無花粉遺伝子を持つ県産の「大井7号」に神奈川県産の「中4号」の花粉を交配させて作った。雄花はつけるが、中に花粉が入っていない。原木や挿し木の成長、強度は、品質改良の面で優れた樹木(精英樹)の一般的なものと同等以上という。
 県産品種を元にした無花粉スギの苗木を県内の山に植えることで、安定した成育が期待でき、同時に都市部への花粉の飛散を抑える効果が期待される。
 市場への出荷は、苗木生産者を通じて行うことになる。森林・林業研究センターは今後、静神不稔1号の母樹を増やすなどして苗木の増産につなげるよう、関係機関と調整したいとしている。

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