ニュースピックアップ
ニュースピックアップ

大清水湿原、元の姿に 片品村、柵で食害防ぐ 尾瀬 /群馬県

 ニホンジカの食害でミズバショウが壊滅的状態になった尾瀬の大清水湿原(片品村)を元の姿に戻そうと、同村は新年度の一般会計予算案に復旧事業経費1千万円を盛り込んだ。十分な高さがある頑丈な柵で取り囲んだり、他の場所から株を移植したりして、尾瀬の玄関口の華やかな景観を回復させたいという。
 大清水湿原は、尾瀬沼への登山道の出入り口である同村戸倉の大清水にあり、5月上旬になると約2ヘクタールに約2万株のミズバショウが咲き誇ることで、手軽な観賞地として観光客に人気だった。しかし、2011~12年にニホンジカなどの深刻な食害に遭い、周囲をネットで囲うなどしたが効果がほとんどなく、抜本的な対策が求められていた。
 村によると、来年度中に本格的な柵の設置や株の移植などのほか、湿原内の木道の整備にも取り組むという。事業費の一部には県の補助を予定している。村は「食害がひどく、このままだと湿原がダメになってしまうので、村としても動き出すことにした。環境省や県とも協議して具体的方法を検討したい」と話した。
 環境省によると、ニホンジカは1990年代半ばごろから尾瀬地域で生息が確認され始め、栃木県の日光地域との間を往復していると見られている。大清水湿原についてはニホンジカだけではなく、イノシシによる掘り起こしも疑われている。

PAGE TOP