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「土に返る」電池、開発 有害物質ゼロ NTT「IoT」拡大に備え

 有害物質やレアメタルを使わず、自然の中に放置しても環境に悪影響を与えない電池をNTTが開発した。微生物によって分解されるプラスチックで覆われており、やがて土に混ざっていくという。様々なものにセンサーを埋め込む「IoT」が広がる中で、使用後のセンサーを回収できない場合に備えた技術だ。
 開発中の電池は1辺が約2センチの正三角形。電圧は1・1ボルトで、LEDを約24時間点灯できる。組み合わせて使うセンサーや通信チップも有害物質を除いたものを開発中で、完成すれば大量のセンサーを火山の周りにまいて温度や振動を調べたり、川に流して流れを調べたりできる。
 新型電池と市販の電池を粉々に砕き、別々の植木鉢に1グラムずつ混ぜてコマツナを育てたところ、市販電池を混ぜた植木鉢はほとんど成長しなかったのに対し、新型電池は通常の植木鉢と変わらなかったという。
 電池は二つの電極と、その間を満たす電解液でできている。通常の電池は電極にリチウムなどのレアメタルやフッ素などの有害物質が使われ、電解液は強いアルカリ性の水酸化カリウムなどだが、NTTは電極に生物の組織を炭化させたものを使い、電解液もほぼ中性にした。

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