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海面上昇最大1.2メートル、パリ協定達成でも 2300年までに 独研究所予測

 地球温暖化対策「パリ協定」で掲げる、平均気温上昇を産業革命前に比べて2度未満に抑える目標を達成しても、2300年までに海面の高さは最大1・2メートル高くなるとの研究を、ドイツのポツダム気候影響研究所などのチームがまとめた。
 20日付英科学誌ネイチャー・コミュニケーションズに発表した。パリ協定は、2020年以降の地球温暖化対策の国際的な枠組み。平均気温上昇を抑えるため、今世紀後半に温室効果ガスの排出の実質ゼロを目指している。ただ、排出が止まった後も、氷床・氷河の融解や海水の熱膨張などにより、海面の上昇は続くと考えられている。
 研究チームは、パリ協定が目標通りに達成された場合、海面がどの程度上昇するか計算。その結果、22世紀以降も上昇し、2000年に比べて2300年までに70センチ~1・2メートル上昇することがわかった。温室効果ガスの排出量が減少に転じる時期が5年遅れるごとに、2300年の海面は20センチずつ上がることも予測した。
 研究チームは「今後、短期間での排出抑制対策が必要だ」と強調している。

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