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ブナの実、昨秋凶作 クマ出没件数増 東北森林管理局 /青森県

 東北森林管理局が昨秋、県内の国有林38カ所でブナの結実を調べたところ、「凶作」だったことがわかった。ブナの実はツキノワグマの好物で、凶作の年はエサを求めて人里に出るクマが増えるとされており、昨年1年間に県内で確認されたクマの出没件数は、過去5年間の平均を大幅に上回る419件だった。
 東北森林管理局は昨年7月、春先のブナの開花状況をもとに「並作」と予測していた。だが、開花時点では花がついていた木でも、実がなったのは一部にとどまっているなど、「下方修正」が必要と判断した。動物に花が食べられたり木が病気になったりしたことが原因とみられている。
 県自然保護課によると、豊作の場合は子グマが多く生まれるので、翌年はその子グマを連れて出歩く母グマと遭遇しやすくなる傾向があるとされる。ただ昨年は、「大凶作」だった前年に続く「凶作」。子グマは増えなくても、エサを探し求めて行動範囲を広げたクマが人と遭遇する確率は高いという。その結果、昨年は12~16年の平均309件より大きく増えた。
 同課は、今春以降の出没状況については予想できないとする一方、「山の奥まで入れば出没が多いところもある。引き続き注意を喚起したい」としている。

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