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寒波、サンゴ白化 和歌山沖「黒潮大蛇行」も影響 【大阪】

 たび重なる寒波に加え、暖かい黒潮が紀伊半島から遠ざかる「黒潮大蛇行」が昨秋ごろから発生し、和歌山県の海に異変が起きている。海水温が極端に下がってサンゴが白化したり、寒さに弱い魚が凍死したりしている。
 田辺市の沖約2・7キロにある「沖島」。9日、水温14度の海に潜ると、サンゴの群落の中で、テーブル状の「クシハダミドリイシ」の一部が白くなっていた。サンゴの中で共生する植物プランクトンの「褐虫藻(かっちゅうそう)」が、低水温のストレスで抜け出し、緑や茶の色が白くなる「白化現象」だ。このままの状態が長引き、褐虫藻が戻らないと死滅してしまう。
 地元ダイビングガイドの李友喜(りともき)さん(45)によると、例年、一帯の水温が16度を下回ることはまれだが、今月上旬は11度台まで下がった。暖かい黒潮が離れた上に、寒波も来襲し、水温を下げた。現在、全体の3~4割が白化したり死滅したりしている。田辺市の南の白浜町でも、小規模だが白化が見られるという。
 串本海中公園水族館(串本町)の野村恵一館長(59)は「サンゴは暖かい海に生息する特徴があり、14度を下回る環境では白化し、死滅する。このまま海水温が低い状態が続くと、深刻な状態になる。ただ、海水温が上がると再び復活する可能性もある」と話している。

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