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折れたバット、エコ活 トロフィーや置物に

 春季キャンプ真っ盛りのプロ野球。その練習を見ていると「打撃練習中は、ファウルボールと折れたバットの行方にご注意ください」というアナウンスをよく聞く。木製バットは折れた後、どうなるのか。行方を追うと、意外な「エコ活用」にたどり着いた。
 数百本の折れたバットが、段ボール箱に詰められていた。宮崎市の野球用品販売会社「ボールパークドットコム」に、オリックス球団から届けられたものだ。
 同社は、バットを作る過程で出る木の端材をバット型のキーホルダーなどに加工して販売。2007年から売上金の一部をNPO法人「アオダモ資源育成の会」に寄付している。15年から宮崎市内で春季キャンプを張るオリックスの球場整備を同社が担ったことが縁で、折れたバットを活用する取り組みが始まった。
 球団から届けられたバットは、トロフィーのほか、商品説明や値段が書かれた置物に加工される。営業部長の加藤寛さん(46)によると、製造は近所の家具屋に依頼。バット表面の塗料や滑り止めをはがし、決まったサイズに切る。やすりで表面を平らにして、さらに滑らかにするために塗装する。「取れ高は1本で一つぐらい。通常業務の合間にお願いしていることもあり、一つ完成するのに1日以上はかかります」。同社にある専用の機械で、刻印する文字を入れたら完成だ。
 同社では、これらの活用だけでなく、商品化もめざしている。加藤さんは「トロフィーは地元の野球大会で使ってもらえたらうれしいし、今後は別の商品も考えたい」と話す。

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