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イノシシ肉の出荷、県が手続き簡略化 ジビエ消費拡大ねらう /千葉県

 県は5日から、野生イノシシの肉の出荷や検査の手続きを一部簡略化した。東京電力福島第一原発事故による放射能汚染の懸念に対応するため、2013年1月から殺処分での自治体職員らの立ち会いなどを求めてきたが、農作物被害を抑えることやジビエ(野生鳥獣の肉)の消費拡大を図るために手続きを見直した。
 県農地・農村振興課によると、イノシシ肉を出荷する場合、(1)捕獲(2)食肉処理施設がある自治体の職員と施設職員が現地で立ち会った上で殺処分(3)施設で処理(4)検査場での全頭検査で放射性セシウムが基準値(1キロあたり100ベクレル)以下かどうかのチェック――という手続きが必要だった。
 しかし、自治体職員らの現地での立ち会いは日程調整に時間がかかるなど、イノシシ肉の出荷促進に複雑な手続きは大きな壁になっていた。県内には君津市、勝浦市、鴨川市、大多喜町に計5カ所の処理施設があるが、現状の処理実績は全体の能力の4割程度。16年度は県全体で2万8599頭が捕獲されたが、実際に処理されたのは340頭にとどまったという。
 そこで県は、全頭検査や放射性物質が基準値以下であることの表示などは続けた上で、自治体職員らの立ち会いを廃止。捕獲場所を記録する「捕獲者台帳」を新たに作成するなどして安全性の確保に努める。
 県によると、県内では14年度以降、基準値を超えるイノシシ肉は見つかっていないという。

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