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川崎平右衛門たたえ、「小金井桜」復活願う 没後250年、故郷・府中で植樹式/東京都
- 2018/02/04
- 朝日新聞
- 東京都
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国の名勝「小金井桜」をつくった川崎平右衛門(へいえもん)が没後250年を迎えたのを記念し、出身地の府中市で3日、桜の植樹式があった。郷土の森博物館(南町6丁目)に植えられた桜は「小金井桜を復活する会」が接ぎ木によって育てた後継樹5本で、参加者は「小金井が桜の名所であり続けることを願うとともに、平右衛門の功績を知る場になってほしい」と話した。
平右衛門は1694(元禄7)年、多摩郡押立村(今の府中市押立町)で名主の家の長男に生まれた。若い時から治水事業などに才覚を発揮し、武蔵野の新田開発を指導した。
8代将軍徳川吉宗が治めていた1737(元文2)年には、幕府の命を受け、玉川上水の両岸約6キロに奈良・吉野山や常陸・桜川(茨城県)から取り寄せたヤマザクラの名木を植え始めた。これが小金井桜の起源とされる。1924(大正13)年12月には国の名勝に指定された。郷土の森には、平右衛門の銅像と、名前を冠した広場がある。
小金井桜は最盛期に1400本ほどあったが、ここ100年で850本ほどに減っている。3日、府中市の高野律雄市長や小金井市の西岡真一郎市長らが植樹した桜は高さ3~4メートルで、「復活する会」が平右衛門のヤマザクラから5年ほど育てた後継樹という。同会の日並洋一理事長は「小金井桜をかつての姿に戻すきっかけにもしたい」と話していた。