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五農の自作食料・木材を五輪へ 農産物に加え林業分野の国際認証取得 /青森県

 2020年東京五輪・パラリンピックに向け、県立五所川原農林高校が、選手村などに自作の農産物や木材を使ってもらおうという取り組みに挑んでいる。同校は農産物の国際規格「グローバルGAP」に加え、森林管理の国際基準である「FSC認証」も取得しており、十分に可能性はあるという。

 31日には五農オリンピック委員会を立ち上げ、大会組織委員会の幹部を同校に招待。生徒ら約50人が、五輪で調達される食料や資材の基準について、適正な農薬使用や計画的な森林伐採のあり方を学んだ。
 講演した大会組織委の田中丈夫・持続可能性部長は「スポーツが世界を変える。みなさんと一緒に世界を変えたいのでご協力をお願いしたい」と呼びかけた。
 五輪の選手村などで提供される農産物や関連施設に使われる木材は、持続可能性に重点を置いた組織委員会の「調達コード」に沿う必要がある。調達コードは法令順守を前提として、環境に対する配慮や人権の尊重がなされているかがチェックされるが、グローバルGAPやFSCの認証を受けていることは、これらの条件を満たしていることを意味する。
 同校は2015年にリンゴの栽培でグローバルGAPの認証を受けたことを皮切りに、コメとメロンでも取得。さらに林業分野でも、1月29日にFSCの認証を得た。FSCの理念を広める国内組織「FSCジャパン」(東京)によると、高校がFSCを取得するのは世界的にも珍しいという。
 同校は今後、五輪に食料や資材を提供するサプライヤーに対して、自ら育てた農産物や木材を採用してもらうよう売り込みをかける方針。同校生物生産科3年の伊藤宗史君は「世紀の祭典に農業高校生として参加することは私たちの夢。実際に直接かかわる後輩たちに熱い思いをつなげていきたい」と話した。

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