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奄美、期待の巨木倒れる 幹回り8.9メートル、オキナワウラジロガシ /鹿児島県

 奄美大島の山中にある国内最大級のオキナワウラジロガシが倒れていたことがわかった。推定樹齢300年以上、幹回り8・9メートルの巨木で、今夏の世界自然遺産登録を目指す島の新たなシンボルとして期待が高まっていた。長年見守ってきた奄美市の自然写真家常田守さん(64)は「非常に残念。自然の繊細さを知るきっかけにしてほしい」と話す。

 今月上旬、地元住民から連絡を受けた常田さんが巨木がある奄美市住用町の山間地区を訪れ、根元から倒れた姿を確認した。
 オキナワウラジロガシ(ブナ科)は板状の根と日本最大のドングリで知られる常緑高木で、琉球列島の固有種。巨木として有名なのは沖縄県国頭村の伊部岳にある幹回り7・6メートル、樹高約22メートルの個体で、民間団体によって「日本一」と認定されたことがある。
 一方、常田さんは奄美の巨木を1990年代初めに確認し、撮影を続けてきた。遺産登録が現実味を帯びてきた数年前からは一年中楽しめる島の見どころの一つとして紹介を始め、昨年4月には市立奄美博物館主催の観察会の目玉として案内。その際に計測した幹回りは8・9メートルで、大人10人ほどが手をつなぎ、やっと囲める大きさだった。高さが不明のために単純な比較はできないが、幹回りは沖縄の木を上回るとみられ、参加者からは「こんな巨木は初めてみた」などと驚きの声が上がっていた。
 山中にあるために倒木の原因ははっきりしないが、昨秋の台風で倒れた可能性が高い、と常田さん。また、根の周囲は石や岩がむき出しの状態で、防風の役割を果たしてくれそうなほかの木々も少なかったとして、「過去の森林伐採で表土が流されて根の張りが悪くなり、強風もあたりやすくなっていたのではないか」と推測する。
 ただ今回倒れた木の近くには、四方にはり出した根の幅が約11メートルにも及ぶ見応え十分のハマイヌビワ(クワ科)の巨木があり、オキナワウラジロガシの大きめの木もいくつか残されている。常田さんは「安易な伐採は土砂崩れにもつながり、自然だけでなく、人の命にも関わってくる。森をしっかりと守れば、将来は多くの名木がみられるようになる」と訴える。

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