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シカ・イノシシ捕獲 県、目標数引き上げ 農林被害に歯止め 新年度から /栃木県

 県内でニホンジカとイノシシの農林業被害が深刻なため、県は捕獲目標を引き上げ、狩猟期間を延長するなどの対策に乗り出す。新年度から6年間の新たな管理計画を作り、生息数の大幅な減少をめざす。
 生物多様性を保全し、人とすみ分ける必要もあり、シカは1994年度、イノシシは2006年度から管理計画を作成し、見直しを重ねてきた。新計画の期間は18~23年度で、県民の意見を踏まえて決定する。
 県によると、16年度のシカの農業被害は4600万円で、この10年間に3・5倍となった。民有林被害9700万円も08年度の700万円から大幅に増加。那須烏山市など県東部の「八溝林業地域」にシカが定着すれば茂木、市貝、益子各町の森林への生息域拡大を止められない恐れがあり、新計画は対象区域を足利、日光など現行の9市町から全25市町に拡大する。
 県内のシカ生息数は16年度末で2万7200頭となり、13年度末より4500頭減った。捕獲数も16年度は過去最多8735頭で10年前の5倍となったが、県は23年度末までに生息数を半減以下の1万1300頭にするため、捕獲目標を現在の年間7400頭から8千頭に引き上げる。
 一方、イノシシの16年度の捕獲数は過去最多の1万3442頭で、10年間に4倍となった。ただ、農業被害は1億5400万円で高止まりし、生息数も横ばいの2万4700頭。23年度末までに半減させるため、捕獲目標を3千頭増やして年間1万3千頭にする。
 狩猟期間はシカ、イノシシとも終了時期を半月延長し、11月1日~3月15日とする。県西部のイヌワシやクマタカの営巣、繁殖の支障とならないよう狩猟者に周知徹底する。

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