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木の玩具、家族一緒に遊んで 由利本荘市、新生児に誕生祝い 新年度から /秋田県

 由利本荘市は来年度から、新生児の誕生祝いとして、木のおもちゃを贈る。市内産の木材を使って地元の職人が手作りしたおもちゃは、見た目も遊び方も異なる2種類から選ぶことができる。

 職人で「木楽(きらく)工房」を営む和田良司さん(57)の「おむすびころりん」は、六角形の枠に6個のおむすびが入った積み木で、秋田杉の木目と色を生かしている。「見てにっこり、触ってほっこりする、やさしい積み木をイメージした」と和田さん。おむすびを使ってままごとやパズルを楽しむことができる。「想像力を働かせて自由に遊び、『木育(もくいく)』に役立ててほしい」
 「木工舎つきのわ」の岡本雄さん(33)は、市の木であるケヤキを主体に「よちよちとりっこ キジ」を作った。モチーフのキジも市の鳥。足は車輪になっており、転がすとキジの体が左右に揺れ、尾を振って歩いているように見える。持ち上げて振ると、胴体の中に入っている小豆がカラカラと音を立てる。
 岡本さんは「親子で一緒に遊んでほしい。飾っておいてもかわいらしいので、ずっと家に置いておいてほしい」と話す。
 木のおもちゃの案は昨夏、市が市民に公募した。保育士や保健師の資格を持つ市職員も加わった選考委員会で、5点の応募作から2点を選んだ。本来は1点の予定だったが、市は「甲乙つけ難く、両方を採用した」という。
 市は面積の約4分の3が森林で、林業の活性化と子どもの遊び場提供をめざし、2014年から木育に取り組んでいる。子育てを通じて親子で木に親しんでもらい、楽しく豊かに暮らせるようにと、17年2月に県内の市町村で初めて「ウッドスタート宣言」をした。今回の誕生祝い品事業も、取り組みの一つだ。
 担当する、木のおもちゃ美術館整備推進事務局によると、現在、市内では新生児が毎年500人ほど生まれている。木のおもちゃが贈られるのは、18年4月2日~20年4月1日に生まれた赤ちゃん。おもちゃは生後2カ月の訪問健診のときに、どちらか1点を選んでもらう。
 事務局の渡辺淳さん(41)は「家族で楽しく遊んでほしい。木に触れる機会が増えれば、木がもっと身近に感じられるはず」と話している。

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