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築300年、江戸の暮らし今に 板橋の旧粕谷家住宅、31日から公開 /東京都

 江戸時代中期から残る板橋区の古民家「旧粕谷家(東の隠居)住宅」が、月末から一般公開される。建築当初の姿に復元され、工事過程では建築年も判明した。約300年を経て、地域の歴史や文化を伝承する体験施設として生まれ変わる。

 都営三田線高島平駅から徒歩約15分。同区徳丸の閑静な住宅街を歩いて進むと、寄せ棟造りの木造平屋建てが姿を現す。かやぶき屋根、土間、格子窓……。江戸時代の暮らしぶりを今に伝えている。
 旧粕谷家住宅は広さ136平方メートル、高さ8・8メートル。村の名主を務めた粕谷家の浅右衛門が隠居する際に建てた屋敷だ。2003年に所有者の名前をとって「粕谷尹久子家住宅」として区有形文化財に指定された。
 07年に所有者から区に寄贈され、それに伴って現在の名称に変更。区は一般公開を目的に、16年から改修・復元工事に着手。住宅は、歴代の所有者が縁側を付けたり間仕切りを設けたりして、時代や生活の変化に伴って改修されてきたが、建築当初の部材の状況などから推測し、改修部分についても復元に努めた。
 これまで、享保年間に建てられたと伝えられてきたが、棟札が見つかっておらず正確な建築年は不明だったが、修復工事の際に基点となる柱のほぞから「享保八(1723)年」の建立を示す墨書も発見された。徳川吉宗時代の享保の大飢饉(ききん)や幕末の高島平での大砲演習、田んぼが東洋一といわれた団地に変わるさまを、高台から見下ろし続けたことになる。
 建築当初の間取りも復元された。板敷きの広間、12畳半の座敷、10畳の次の間、お勝手、土間の台所で構成される。はりに使われたくねくねと曲がった木材は圧巻だ。はりや屋根裏の構造材は、昔使用していた囲炉裏の煙で黒く光っている。囲炉裏やかまどももとあった場所に再現した。
 区生涯学習課によると、関東地方の江戸中期の民家に見られる特徴の(1)3本の大黒柱(2)お札を張るなどする押板(3)格子で飾られたしし窓(4)三間四方の広間、を備えていて貴重だという。同課の吉田政博学芸員は「約300年もの間、住宅として住み継がれてきており、関東では最古級に属する。遠い昔に思いをはせながら、当時の生活を知ってもらえれば」と話す。
 一般公開は31日から、午前9時半~午後3時半で、月曜休み。区は、建物を使って伝統行事や催しを開き、歴史や文化を学んでもらえる場所にしようと検討中だ。

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