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駆除獣ジビエに処理施設が続々 4カ所開設・持ち込みは捕獲数の1.3% /富山県

 獣害対策で駆除したイノシシやシカなどを、ジビエ料理として活用するための獣肉処理施設の整備が県内で進んでいる。ただ、施設に持ち込まれるのは総捕獲数のごく一部のうえ、商品として品質を維持するための適切な捕獲や処理技術の向上などの課題が浮かび上がっている。

 富山市八尾町中島の山間地にあるジビエ処理施設「大長谷ハンターズジビエ」は、狩猟期が最盛期を迎え、イノシシやシカの解体作業とパッキングに追われている。同施設は、県からの補助金約80万円を含む約300万円をかけて、地元猟師の石黒木太郎(もくたろう)さん(26)が2016年11月に開設。県内外のフランス料理やイタリア料理の店など約30軒に昨年度はイノシシなど約30頭分を出荷。今年度は約70頭分を販売する予定という。
 売り上げの8割を占めるイノシシのロースやバラ肉は1キロで約5千円の値段がつくこともある。ただ、食肉として販売するには捕獲から解体まで高度な技術が欠かせない。「なるべく頭を撃ち、その場で素早く血抜きをして処理施設に運ぶ」と石黒さん。「安心安全で高品質のジビエ肉の生産には、捕獲の段階から品質管理を徹底する必要がある」と話す。
 県は、駆除された野生動物の有効活用と獣肉の特産化を目指し、12年度から獣肉処理施設の整備に、100万円を上限に費用の3分の1まで補助する事業を始めた。これまでに4施設が県の補助を受けて開設。16年度のイノシシの処理数は4施設で計58頭だが、同年度に県内で捕獲されたイノシシ4360頭の約1・3%にとどまる。
 県農村振興課によると、捕獲したイノシシは、幼獣など販売に適さない個体が多いことに加え、銃弾で内臓が損傷していたり、搬入まで時間がかかったりして施設で買い取りができない個体も多かったという。
 野生動物の管理・活用を提唱する「野生動物管理全国協議会」(兵庫県)の木下一成理事は「ジビエブームでイノシシ肉の需要はあるが、品質は個体差が激しく、駆除の延長で商品化を目指すのは難しい」と指摘。「適切な捕獲と処理に向けて猟師や処理業者の啓発が不可欠だ」と話す。
 黒部、魚津両市は、県内で初めて行政と民間が一体になって運営する獣肉処理施設を18年度中に黒部市に開設する予定。両市内では16年度に計363頭のイノシシが捕獲されていて、施設では年間約250頭の処理と販路の確保を目指す。猟友会のメンバーらでつくる両市の鳥獣被害対策実施隊が捕獲を担い、品質確保に向けた講習会の受講を義務づけるという。
 施設の運営組織の設立準備委員会長を務める野村春幸・宇奈月猟友会長は「猟師の責任は大きい。不安はあるが、地域の新たな特産品をつくるという覚悟で取り組む」と話している。

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