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佐渡の里山、マーク描いて 市、認知度アップへ公募 世界農業遺産 /新潟県

 国内で初めて世界農業遺産に認定された「トキと共生する佐渡の里山」の認知度を高めようと、佐渡市はオリジナルのブランドマーク募集に乗り出した。市は知名度の高い世界文化遺産に佐渡金銀山の登録を目指して活動を続けているが、認定から6年以上過ぎた世界農業遺産はあまり知られていないため、その理念の普及と広報活動の一環として企画した。

 世界農業遺産は、国連食糧農業機関(FAO)が認定する制度。関係者によると「変わりゆく遺産であり、進化する遺産」と位置づけられ、世界各地の特色ある農業地域が認定されてきた。
 日本では2011年に佐渡市の「トキと共生する佐渡の里山」、石川県能登地域の「能登の里山里海」の2地域が先進国として初めて認定された。13年には熊本県阿蘇地域の「阿蘇の草原の維持と持続的農業」など3地域も認定。農水省によると、昨年12月現在、国内では9カ所、世界で19カ国、45地域が認定されている。
 佐渡では一度絶滅した国の特別天然記念物トキの再生事業に地元農家が協力してきた。農薬を減らし、トキのえさのドジョウやカエルなどの生き物も繁殖させ、生物の多様性を確保したことが評価された。「里地里山」という日本の伝統的な農業システムを持続・発展させていることが、佐渡の農業の特色だ。
 今回のブランドマーク募集は、国連機関に認定された制度なのに、認知度が低いことから立案。「農業上の生物多様性」が高く評価されたことを受けて、それを加味したブランドマークを描いてもらいたいと市は説明する。最優秀賞(1点)には10万円の賞金が用意される。
 応募は、応募用紙または縦14センチ、横10センチ(はがき大)の枠を書いた用紙に作品を描き、2月20日までに同市産業観光部農業政策課里山振興係(〒952・1292 佐渡市千種232)に郵送、またはメール(u-satoyama@city.sado.niigata.jp)で送る。問い合わせは同係(0259・63・5117)。

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