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北風と脱石炭、北京の大気改善 PM2.5濃度、17年は前年比20%減

 深刻な大気汚染が冬の風物詩になっていた北京でこの冬、今のところ状況は大きく改善している。政府の大号令の下、汚染の主な原因となっていた石炭暖房が天然ガスや電気に切り替わりつつあることに加え、例年より風が吹く日が多いためとみられる。
 北京市は3日、2017年の微小粒子状物質(PM2・5)の平均濃度は1立方メートルあたり58マイクログラムだったと発表。日本の基準値の15マイクログラムには遠いが、16年より20・5%下がり、国の「大気汚染防止・管理行動計画」に盛り込んだ「60マイクログラム程度」という目標を達成したと胸を張った。
 北京市の観測では、昨年12月の中心部の大気汚染指数の平均は80程度。6段階で上から2番目の「良」にあたる。15、16年は200近くで下から2番目の「重度汚染」と3番目の「中度汚染」の間で、大きな改善といえる。
 理由として挙げられるのは風の力だ。17年は空気がやや乾燥し、北風が吹く確率が高かったという。
 同時に、政府が進める「脱石炭暖房」政策も奏功したとみられる。
 中国北部では伝統的に石炭を燃やして暖をとる家庭が多い。北部の暖房用石炭使用量は年4億トンにもなると言われ、石炭によるスモッグが都市を覆ってきた。
 そこで政府は17年に暖房用小型炭の消費を7千万トン減らす目標を掲げたと報じられた。同年8月、北京市と河北省などに「10月末までに300万戸以上の石炭暖房をガスや電気の暖房に切り替えよ」と指示。さらに汚染対策ができていない工場の閉鎖も断行した。北京では17年11月から18年3月まで、ほこりが立つ道路工事なども禁止した。

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