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原発・石炭火力補助案を否決 トランプ政権に痛手 米委員会

 トランプ米政権が導入しようとした原子力発電所と石炭火力発電所への補助案について、連邦エネルギー規制委員会は8日、市場競争をゆがめる上に、電力安定化への効果が不明だとして全会一致で否決した。補助案は成立せず、石炭産業の復活を掲げる政権にとって痛手となった。
 米国では、電力需要の減少と、天然ガス火力の導入や、太陽光や風力などの再生可能エネルギーの価格低下で、原発や石炭火力の採算が取れなくなり、早期閉鎖が相次いでいる。
 エネルギー省は昨年9月、電力安定化のためとして、悪天候などでも90日分の燃料が確保できる発電所を持つ会社に補助金を出す案を発表。原発と石炭火力の実質的な延命策だった。環境団体だけでなく、財源負担のために電力価格が上昇することを懸念する産業界が反発していた。
 独立性の高いエネルギー規制委の審議の結果、トランプ政権が任命した4人を含む5人の委員全員一致で否決。一方、災害などが送電網に与える影響の調査を地域の送電会社に求めた。グリック委員は「補助案は、電力の安定化とほぼ関係がない上、競争力の無い発電技術を補助するものだ」とコメントした。(ワシントン)

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