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渓流たどり学ぶ、クニマスの生態 西湖で体験ツアー /山梨県

 富士河口湖町西湖のレイクホテル西湖で17日、約70年ぶりに西湖での生息が確認されたクニマスの生態を学ぶ体験ツアーがあった。

 湖畔に建つホテルの沖合にはクニマスの産卵場がある。研究者の調査で、産卵場のわき水がホテル裏山の渓流に由来しているらしいことがわかっている。ホテルがクニマスの生態を宿泊客や住民に知らせて保護につなげようと、「クニマス教育プログラム」を半年かけて作った。
 ツアーには県内や首都圏から約50人が集まった。大型スクリーンで、864年の富士山の貞観噴火で西湖が出来た歴史▽1920~30年代にクニマスの卵が秋田県の田沢湖から移植されたこと▽クニマスが西湖で生き残った理由――などを学習。屋外見学会では、ホテル裏山の水枯れした渓流沿いを約40分登り、水の流れが現れる場所へ。ツアー指導員を務めたホテル従業員が「この水が産卵場につながっています」「落ち葉の下に黒いサンショウウオがいますよ」と説明すると、ツアー参加者は次々と水たまりをのぞきこんでいた。
 中学校の教科書に登場するクニマスに興味を持ち、家族5人で参加した東京都東久留米市の武部佑郁(ゆい)さん(中学1年)は、「産卵場のわき水が生き残れた理由とは知らなかった。先生に教えてあげる」と話した。

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