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ボルネオ島のゾウ、守りたい 旭山動物園とNPOが報告 /北海道

 旭川市の旭山動物園が、NPO法人ボルネオ保全トラスト・ジャパン(BCTJ)と取り組む野生動物保全活動のフォーラムが17日、同市であった。坂東元(げん)園長とBCTJの横塚眞己人(まこと)理事が、日本人の日常とも密接につながる熱帯雨林の現状を報告した。
 旭山は、飼育するボルネオオランウータンの生息地への「恩返し」として、2009年から東南アジアのボルネオ島で活動を続けている。横塚さんによると、同島はパーム(アブラヤシ)油の世界的産地。パーム油はインスタント食品など様々な日用品に使われるが、熱帯雨林を切り開いて作られたアブラヤシ畑にゾウが入り込み、殺されているという。
 旭山は13年、同島のマレーシア・サバ州にゾウの一時保護施設を寄贈。旭川製の部材で作られたゾウ移送用のオリ2個は頑丈なため、「絶大な信頼」を得ており、3個目の要望も来ているという。一方、保護したゾウの収容が長期化。島内で簡単に調達できる植物がエサになることを確かめ、近くの村から運んでもらう手立てを整えた。
 坂東園長は「活動は寄付や企業などの協力に支えられてきた。旭山で生まれたオランウータンの成長を見ながら、彼らの未来に思いをはせられる動物園になりたい」と話した。

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