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里山保全、楽しみ10年 「体動かし気持ちいい」 奈良・人と自然の会 /奈良県

 奈良市の市民団体「奈良・人と自然の会」が、平城宮跡北東にある里山の保全に取り組んで10年になる。緑を次世代に引き継ぐため、シニアらが毎週体を動かし、思い思いに楽しみながら活動を続けている。

 JR平城山駅近く、交通量の多い国道24号から脇道に入ると、急に景色が変わる。日当たりの良い林や畑が広がる、昔ながらの田園風景だ。作業服姿の会員が「別世界でしょう」と笑顔で迎えてくれた。
 会は2001年の設立。生駒市で棚田再生に取り組んだ実績を買われ、07年に県の委託を受けて、この里山の再生に取り組む。
 約16ヘクタールの県有地は長らく放置されていた。背丈の倍ほどの草を刈り、不法投棄されたタイヤや自転車を片づけるのに約2年かかった。観察路を通し、枯れ木を撤去した。林で余分な枝を落とすと、地表に日が差し、ツツジが咲いた。
 畑などを作り、池にビオトープを整備した。近隣の人が散策するようになり、今では小学生の環境教育の場にもなっている。切り倒した木はマキにして販売し、運営費に充てる。シイタケ栽培も軌道に乗っている。
 活動は毎週木曜朝。「里山」「エコファーム」などの班ごとに行動する。11月の活動日を見学すると、朝9時の朝礼から始まった。各班が「コナラを伐倒します」などと作業内容を確認し、約70人の参加者はラジオ体操をして作業に入る。
 里山班は観察路に入った。課題はナラ枯れ対策だ。約2千本のコナラに番号を振って管理している。菌を媒介する虫の跡を点検し、広がる前に切って被害を全体の1割以内に抑えている。副会長の森英雄さん(74)=河合町=は「放置された林ではナラ枯れが一気に広がる。人の手が入る里山だから最低限の被害ですんでいます」と話す。
 平地の畑ではソバの脱穀やタマネギの植え付けが進む。草刈りや丸太階段の補修をする人もいる。一汗流して昼時になると、炊き出し班が豚汁をふるまった。
 会員は定年退職した元会社員などのシニア世代が中心で、約150人の平均年齢は70歳を超える。大阪府や京都府、滋賀県から数時間かけて通う人もいる。参加者は「強制がないし、体を動かすと気持ちいい」などと口にする。
 奈良市法華寺町に住む鈴木末一会長(75)は幼いころ、家族でよくこのあたりを訪れた。「荒れていた里山が昔の姿を取り戻していくのがうれしい。自然は子孫から借りていると思って、日本の原風景を引き継いでいきたい」と話した。問い合わせは鈴木さん(0742・33・4853)。(古沢範英)

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