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火力発電のCO2、半減期待 大牟田・三川発電所に新設備 /福岡県

 大牟田市新港町のシグマパワー有明三川発電所で15日、石炭やバイオマスによる発電で発生する二酸化炭素(CO2)を分離・回収する設備の起工式があった。環境省の委託事業で、完成すれば、日本で初めて、火力発電所が排出するCO2の5割以上を削減できる設備になる。2020年に運転開始予定だ。
 東芝系列の火力発電所で、出力は5万キロワット時。現在は主燃料を石炭からパームヤシ殻に切り替え、バイオマス発電を手がけている。1日あたりのCO2排出量は1千トン。
 今回建設されるのは、1日あたり500トン以上のCO2を分離・回収する設備。発電で排出されたCO2を特殊な溶液に吸収させた後、加熱して再分離することで高濃度のCO2を回収する仕組みだ。これにより、同発電所はCO2排出量を半減できるようになる。
 総事業費は120億円。将来、回収したCO2は半液体化し、海底の深さ1千~2千メートルの地層に貯留する計画で、現在、国が適地を探査中という。
 東芝エネルギーシステムズの担当者は「日本では一定割合の火力発電を当面、維持せざるを得ない。その火力発電をクリーンに運転するのに欠かせない技術と設備です」と話している。

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