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小型風力、紛争回避へ条例 稚内市、発電施設建設や運転時に基準 /北海道

 急増が見込まれる小型風力発電と住民とのトラブルを回避するため、稚内市は11日、施設の建設や運転時の基準などを示した条例を制定した。ガイドライン(指針)ではなく、強制力のある条例を設けるのは道内初で、基準を満たさぬ場合は是正勧告や事業者名の公表など厳しく対応していく。

 対象となるのは、主にロータの受風面積(ブレード回転時の面積)が25平方メートル以上、200平方メートル未満で、発電容量が5キロワット以上、20キロワット未満の施設。住宅や公共施設などから100メートル以上離すことが条件で、昼夜の騒音や低周波音の基準を設け、電波障害が生じないような措置も講じなければならない。自然環境や景観への配慮も必要としている。
 条例に反する場合は、市が施設への実態調査や助言・指導、是正勧告・命令ができ、それでも改善されない場合は制裁的措置として事業者の氏名や法人の代表者名、是正すべき内容などを公表する。

 ■計画把握難しく
 風が強い日本海側は風力発電の適地で、稚内の丘陵地には大型風車が林立している。小型風力発電について、市は、昨年度五十数件が事業認定され、現在約20基が稼働していることを確認しているが、「新規の申請数や建設場所、これから何基稼働するのか把握できない」という。
 小型風力発電は、国が再生可能エネルギーの普及を図るため、大型のような環境アセスメントや建築確認申請の必要がなく、住宅地の空き地でも建設できる。資源エネルギー庁は事業者や建設場所について、事業認定後にホームページでの公表を始めたが、申請段階で市町村が計画を把握するのは難しい。

 ■住民との摩擦も
 急増の背景には規制の緩さに加え、再生可能エネルギー固定買い取り制度(FIT)の価格差がある。小型風力発電の場合、今年度の買い取り価格は1キロワット時55円で、大型の21円と比べて2・5倍高い。今後、価格が下がる可能性もあるため、「投資的な駆け込み」状態になっているとの見方もある。
 こうしたことから稚内市内では、住民との摩擦が生じるケースも少なくない。声問地区では、住宅から数十メートルの空き地に突然、小型風力発電の建設計画が浮上し、住民の反発で中断している。地元紙には毎日のように風車発電用地の買い取り広告が載っており、市民から規制を求める声が上がっていた。
 道内の留萌・宗谷地域ではすでに10市町村がガイドラインを設けているが、道は「強制力のある条例は全国的にも聞いたことがない」という。市は「条例は再生可能エネルギーの導入拡大と市民の安全安心の両立を図ることが目的。条例で設置基準などを厳格化することで、市民に受け入れられるものにしたい」と話している。

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